■Glitter on the Sea Woven into Fabric by Tamiya Raden
-海の煌めきを織物に-
民 谷 螺 鈿の神秘的な織の美
2019.2.16 SAT - 3.17 SUN
『丹後ちりめん』で知られる丹後地方は約300年の間、きものの高級生地産地としての
歴史をもち、 近年では西陣帯の製織地としても、長年日本の伝統文化である和装、
きものを支えてきました。
丹後地方は美しい海に囲まれた自然豊かな土地。この土地、京都府京丹後市で、
今、国内外の名だたるブランド、パリの老舗メゾンからも高い評価を受けている織元
「民谷螺鈿」の存在があります。
「丹後ちりめん」織から、その伝統技術を背景に、独自性、デザイン性で、技術磨き続けて織られる新しい布地も生まれています。和服だけでなく、洋服、そしてインテリア素材等にも展開する可能性をもっ創造力を刺激する展開できる可能性をもっています。
日本で昔から漆の加飾技法として発展してきた「螺鈿/RADEN」。板状に加工した貝殻の真珠層の部分を漆地の表面にはめ込んで磨き出し、美しい模様を描き出す技法です。「その神秘的な美しさを織物にできたら」と考えた丹後の織物業者、民谷勝一郎は、1977年から2年間研究に没頭したのに、遂に貝を生地に織り込む技術を開発しました。
京都西陣に伝わっていた、和紙に金箔や銀箔を貼って細かく裁断し緯糸(よこいと)にして織り込む「引き箔」という伝統技法にヒントを得て、和紙の上に薄く板状にした貝殻を切って貼り付け、これを細かく裁断して緯糸にするというものです。
従来の常識を覆し、柔軟性を持つ貝殻の緯糸は、織物にそれまで見たことのない神秘的な輝きをもたらしました。日本では高級な帯地として高く評価されてきましたが、カーテンやパーティション、家具の表地など、インテリア分野での用途への展開が期待されています。